1Feb
瞳の書 04,《アントロポス》
汝らは何も解っていない。過去に捕らわれ、未来の幻影を追っているのみ。汝らが存在しているのは今である。自分自身を正直に、裏切らずに、ありのままを見よ。そして怒れ!自分自身に!なければ何故得ようとしない!今の今を燃えよ!命を腐らせるな!私は怒っている。自分の貧弱さを見ぬ振りをするな!!
もっと心の隅々まで自分自身であれ。傲慢になるなら陰を引くな。隠れることなく傲慢であれ。自分を掴みきらぬ内は、何事も戯言であり、貧弱そのものであるのだ!生かすなら思いきり生かせ。殺すなら思いきり殺せ。汝らは常に汝らであるように。自分自身を虐げて何の善ぞ!そのようなものを欺瞞というのである。
悪魔のように汝らは生きろ。神のように汝らは生きろ。そして、その両方で生きろ。殺めるなら思いきり味わうがよい。すべては己の本質なのだから。
神を敬うな!悪魔を畏れるな!己を敬え。己を畏れよ。汝らが自分自身でなければ何の神ぞ!悪魔ぞ!何をするにせよ、すべては己においてであることを忘れるな。その結果を運命や、過去や、未来のせいにするな。すべては現在の己である。己を照らせ。己を照らせ!それが道である。現在の己に怒れ。
汝らよりも、地を這う虫の方が今を生きているではないか。遊ぶのなら底から楽しめ。悲しむなら死ぬほど悲しめ。溶けることが一番、汝ら存在には地獄なのだ。すべてに捕らわれぬ前に、汝らはすべてであるのだから。
すべてを見つめ、極めるには、まずすべてであれ。調和は微睡みではない。すべてを生かせ。己を満たせ!そして何よりもまず己を信じよ。噛み締めよ。何れ。