1Mar
《アントロポス》
汝らは私が何をいおうとしているのか解っているのか?
己を知らぬものはまさにこのようである。己におけるすべてのことを知らず目を伏せ、そして、その結果にのみ捕らわれ続けるものはその肉体において調和を失う。即ち、醜いのである。
心においても同じである。汝らは、それらをのみ憎み、敬み、それらをにのみ捕らわれる。己のものにそれを成すを知らず。
調和は力である。故に、調和を持たぬものは貧弱であり、時に流されるのを諦める。そしてそのように生きるのである。
また、悪魔をのみ憎み、神をのみよりどころとし、そして、病に冒されるが如く、己の内を己でないものによりて蝕まれるものは、己はそのように生き続けるのに変わりはないことに気付かずにいる。そして、それらのものたちは、己を見つめず、故に、偏りに嵌り込む。そして、もがき、苦しみ、そして、それらに命を削る。何故そのものたちはそのように迷い苦しむのか?
汝らも、それに当てはまるものがあるか、考えてみよ。そして、それらは何故起こるのかと。それはまさに、己を己でなくするが故である。
すべての物事は己によりてなる。忘れるな。病も、突然の死のようないかなる不運も、他人からのいかなる中傷も、すべて己に成されるものは己によるのだ。故に、見極めるがよい。汝らは死を賭して。